千歳坂の花

あらすじ

探索者たちの住むところの近くで出回っている麻薬があるという。探索者は仕事や好奇心のため、あるいは廃人となった知り合いのために、調査に乗り出す。

前情報

テストプレイでは

PL2人 テキセ RP多め:10時間

ボイセやオフセなら2~3時間くらいでしょうか。

選択によってはロストします。テストプレイはロストエンドでした。

推奨PL人数:2~4人くらい

推奨技能:三種の神器 心理学 交渉技能

戦闘はありません。


真相

遥か火星の地で、ヴルトゥームが目を覚ました。かの神は火星を出立し地球を支配するため、幻覚を見せ籠絡することができる花の化石を信者であるアイハイ族に広めさせるようにしていた。アイハイ族は1000年も前から地球に来ていたが、ヴルトゥームの眠りに合わせて眠っていた。奴隷である紀本も、ヴルトゥームの目覚めにより活動を開始し、火星から送られてきた火星人である加原も、アイハイ族と紀本を殺すために動き始める。ヴルトゥームは地球人を支配することができたら満を持して火星を出立する気でおり、その準備のために火星人の街(イグナル=ルス)は破壊されつくされることになる。しかしヴルトゥームが遣わしたアイハイ族と紀本が殺されることがあれば、かの神は地球人を敵とみなし、火星人を意に介さず早急に地球を亡ぼしにかかるためである。

NPC

紀本(キモト)

地球人であるが遥か昔にヴルトゥームに気に入られ、不老不死を与えられていた。ヴルトゥームの奴隷であるが眠りにつくことなく、1000年を人の世に交わり楽しく過ごしてきた。もともと地球人であるのもあり地球に愛着がある。特にPC1の先祖と親友と呼べる間柄であったころは幸福感を抱いていたようだ。しかし、ヴルトゥームの目覚めにより彼の愛した地球は支配される未来が待つことになる。アイハイ族たちは見た目が恐ろしいため、紀本がホワイトバルブを売りつける顔となっていた。

あくまでヴルトゥームの奴隷であるためPCからの説得などがなければ地球が支配されていくのを黙って見ているのみだろう。

加原(カハラ)

火星人。ヴルトゥームの目覚めを察知し、地球で暗躍するために送り込まれた。見た目は普通の人間であるように見えるが、そのように見えるよう呪文をかけているに過ぎない。そのため、歩き方がぎこちない、などという様子を読み取ることができる。

身内がヴルトゥーム軍に殺された過去があり憎んでいる。火星をこれ以上好きにさせないようにと動くことを考えるが、科学力戦闘力で勝るはずもない。しかし火星人たちは、ヴルトゥームが花の化石によって地球を支配しつくした上で火星を踏み台にして地球へ移住しようと考えていることを知り、策をめぐらせる。すなわち、地球と交戦する展開になれば、火星や火星人を蹂躙することなく地球へ真っ先に攻撃をしかけるのではないか? そのまま地球を支配し火星を出ていくのではないか? この考えに確信を得た火星人たちは、ヴルトゥームに憎悪を抱く加原を地球へ送り込んだ。アイハイ族と紀本を殺し、地球人とヴルトゥームを敵対させるために。

PCたちには自分は探偵であると名乗る。バルブホワイトを調べていると話すが、彼の語る探偵社は実在するが、彼は所属していない。PCたちを利用してアイハイ族と紀本を殺そうと考えている。

千島(チシマ)

売れない画家。PC2の友人。金銭的に困窮し、自分の絵が売れないことにも絶望し、ホワイトバルブに手を出してしまう。ヴルトゥームに魅入られているが奴隷ではなく、延々とその姿をキャンバスに描き続ける。それがなんであるかまでは理解していないが、星に住む美しくも恐ろしい神であることは理解しているだろう。

築野(ツキノ)

天文学者。火星を調査している際に、ヴルトゥームが目覚め地表に現れる姿を見てしまう。その姿を夢に何度も見るようになり、次第に発狂する。今は精神病院に入院しているが、火星には生物がおりそいつらが地球を侵略しようとしている、という子どもだましなSFを語るせいでまったく相手にされていない。


導入

最近、探索者たちの住むところの近く、野ざら市で出回っている麻薬があるという。名前は「ホワイトバルブ」。常用性はないのだが、少ない接種によって精神が崩壊してしまう恐れのある恐ろしい麻薬であるという。探索者は仕事で調査しているかもしれないし、友人が麻薬によって気が違ってしまっているのかもしれない。(PCの友人に千島がいるということにするとやりやすい)探索者たちは、麻薬を調べ始める。


情報

・麻薬について(聞き込みなどで)

ホワイトバルブには幻覚作用と、幸福感を抱く効果があるらしい。多くの麻薬は依存症を引き起こし薬がなくてはいられない状態になるが、この麻薬の恐ろしいところはその即効性である。少量の使用で精神が蝕まれていくのだという。出元はわからない。三か月ほど前から出回り始めたようだ。

・麻薬の被害者(眉唾物の雑誌)

雑誌などを調べると、ホワイトバルブの被害者について少し書かれているのが見つかる。画家の千島という名前が分かる。この名前で調べれば連絡先も分かるだろう。また大学の教授も何か関わっているかもしれない、とぼかした書き方。雑誌の出版社に問い合わせをしても、この記事を書いた記者は行方が分からなくなっていることが分かる。(記者の名前は金本)

・出所について(インターネット)

掲示板を覗くと、「葉星会」という会社の近くでホワイトバルブに誘われた、という書き込みがある。だが書き込んだ人物はそれ以降姿を現していない。

・「葉星会」について

健康食品などを扱っている会社であることが分かる。しかし現在は販売を中止しているようである。会社の場所も分かるが、昼間では完全に閉じ切っていて侵入することはできない。


葉星会(昼)

葉星会の近くに昼間行くと、同じようにビルの周りをうろうろする人物と出会う。彼は探索者ににこやかに声をかけてくる。

「葉星会の関係者?」否定すると言いづらそうに、「もしかしてホワイトバルブについて何か知っている?」と問われるだろう。調べているのだということを探索者が明かせば、探偵の加原であると自己紹介する。ホワイトバルブについて依頼を受け調べている。もしよかったら協力してほしい、とお願いしてくる。(まだ探索者が得ていない情報をいくらか渡してもよい)

了承すれば、協力者ということで連絡先を教えてくれる。拒否したとしても、同じことを調べているのならばまた会うかもしれないね、と笑顔で去っていく。また、夜になら売人と接触できるかもしれないとも伝えてくる。

目星→歩き方がぎこちない。尋ねると、足を怪我していてと答える。

心理学→ホワイトバルブの出元を調べたいと真剣に考えている。

探偵社の名前を聞いたとして、インターネットなどで調べても加原の名前は出てこない。

加原以外に近くを歩いている人に聞き込みをすることができる。自分が知る限り怪しいとかはわからないが、何やら甘い香りが漂ってくる気がする、と教えてくれる。この辺りは夜中には人通りがほとんどなくなるとも。


葉星会(夜)

夜に葉星会の近くを訪れると、人通りはまったくない。が、アイデアで視線を感じる。視線の方向を見ると、いかつい男性が立っている。男性はにやにやしながら近づいてくるが、目星に成功するとPC1の姿を見てハッと目を見開いたことが分かる。(ホワイトバルブを売りつけようと考えていたが、過去の親友の子孫がいることに気付きこの件から遠ざけようとする)

「葉星会に何か用か?」

葉星会の関係者か尋ねるならば→「そうだ。とはいえ今は活動をしていないが」

葉星会とは?→「健康食品を扱っていたんだが経営不振でね。復帰のめどはたっていないよ」

ホワイトバルブの話題を出す→「何か噂が流れているようだがオレは知らない」心理学→何か隠していることが分かる。が、交渉技能は聞かない。

いくらか話をすると、「深夜にウロウロするもんじゃない。ほら、星も赤く光ってる」と言い去っていく。

アイデアor目星→赤い星が光っている。あれは火星か?


千島のところへ

千島は小さなアトリエで生活しているが、人を寄せ付けないようになっている。PCに彼の関係者がいるならば入ることは可能。または交渉技能で入ることができる。

アトリエのなかはひどく散らかっており、キャンバスがあちらこちらに広がっている。壁も、本人すら絵の具まみれになり、探索者を招いたあとはまた一心不乱に絵に向かっていく。

絵を見てみる。その絵には一本の木が描かれている。球根から太い幹が伸び、がくの中心に何か人物が書き込まれている。美しいと同時に何か背筋が震える感覚も抱く作品である。そして、探索者は気付くだろう。床に広がっている絵、そして千島が今無心に作り上げている絵も、すべて同じものを描いているということに。その異様さに、薄ら寒さを感じることだろう。0/1d2のSANC

目星→植物のほかに、小さな人間のようなものが描きこまれている。

千島はひたすら絵を描いているが、少し待つと作品が完成する。間髪入れずまた筆を手に取るが、宥めすかせば手を止めて少し話をしてくれるだろう。

目星→やつれきっているが目は爛々と光っている。

ホワイトバルブって知ってる?→「ああ。嗅がせてもらったよ。とても気持ちがいいんだ、幸せで、世界中がキラキラしてて、あんな感覚もう味わえないかもしれない」

もう使ってないの?→「アレは幸せになれるけど、それより夢中になれるものが見つかったから」

絵を指してこれはなに?→「きれいだろう? 夢で何度も何度も何度も何度も見たんだ。真っ赤な星の深く深くで眠っていたんだけど、目を覚ましたんだよ。もうすぐ会えるだろうもうすぐ、すぐ」

「でも僕たちに会いにくるためには犠牲が必要なんだ。きっと木は、あの星を食いつくして僕たちのもとに来るんだろう」

小さな人間の絵について→「この人もいつも夢に出てくるんだ。この木のモノなんだろう、ずっと、何年も何百年も、この木と共にあるんだ」

少し会話をすると千島はまた絵に没頭し始め声が届かなくなってしまう。

アイデア→赤い星といえば火星か?

知識→火星についてのニュースがあった気がする。


情報2

  • 火星に関するニュース(新聞で図書館)

火星の調査を進めていた築野という天文学者が精神を病んでしまった、というニュースが載っている。大学名は野ざら市立大学であることがわかる。

  • 火星とは?

太陽系の太陽に近い方から4番目の惑星。地球型惑星に分類され、地球の外側の軌道を公転している。火星人がいる、という伝説が昔からささやかれている不思議な星である。


築野のところへ

築野は精神病院に入院している。会うことができたならば、彼はやせ細り、ブツブツと何かを呟いている。よくよく聞けば聞き取れる。

「宇宙人だ、火星には生物がいるんだ。地球を狙っている。私たちはあいつに侵略される、侵略されるんだ!」

あいつとは?→「分からない。木なんだ、妖精なんだ。死なない、老いない、ああ、ああ、おそろしい......」

築野が興奮してきたため部屋から追い出される。看護師と少し話ができる。

築野さんはどうしたの?→「ずっとあの調子なんです。火星人がーとか、地球が危ないーとか...。研究中に何かあってああなってしまったようですけれど......」

病院に行かず、大学でも情報を得ることができる。警備員をなんとか言いくるめられれば研究室の鍵を開けてもらうことも可能だろう。

汚い走り書きで、同じようなことが書かれている。「火星人が地球を支配する、支配される。逃げなければ、みんな死ぬ死んでしまう」

「奴隷? 不死?」

精神分析で精神がかなり参っていることが分かる。


加原と

加原と紀本に出会っている状態で適宜加原から連絡が入り、再び出会う。葉星会について分かったことがあるという。

加原は、やはり葉星会がホワイトバルブを売っている組織であることが判明したと告げる。その中でも、紀本という男が葉星会の中心人物であること、彼は殺しにもかかわっている可能性があることを教えてくれる。葉星会を調査している人物が何人か行方不明になっていて、証拠隠滅に消されているのではという話があるのだという。(掲示板の件、雑誌の記者の話をしてもいい)

葉星会内部にもしかしたら証拠があるかもしれない。調べるのは危険だが、まだ調査を続けるつもりはあるか?と加原は探索者に尋ねる。頷いた場合、葉星会の入り口の鍵を作ることができたと渡してくれるだろう。なぜ自分たちに、加原は行かないのかと尋ねるならば、正直1人で調査するのは危なく、自分は外部から調べていこうと考えている。もし探索者たちが突入してくれるのならばありがたい、と話すだろう。(実はすでに侵入済み。紀本がヴルトゥームの奴隷であり不死の人間であることを探索者に調べさせ、排除する方向へ考えさせるために侵入させようとしている)

目星・アイデア→去り際、加原は空を見上げた。ニヤリと笑ったように見えた。


葉星会(侵入)

加原と二回目出会った、紀本と一度出会っている、という状況で葉星会へ行くと人が誰もおらず侵入ができる。

室内は会社の事務所という感じ。入ってすぐにカウンターのようなもの。奥に社員用か四つほど机があり、右側に戸棚、左側に本棚がある。

社員用の机に目星→三つはほこりが積もり使われていない様子であるが、一つだけほこりの積もっていない机がある。(紀本の机)

机の引き出しに写真が入った小さなアルバムがある。紀本が様々な人間と写っている写真があるが、どうも様子がおかしい。

目星→写真の質が、明らかに現代のものよりも古いものがいくつもある。そのどれもに紀本は写っているが、見た目は探索者たちが会ったときの姿とまったく変わらない。

アイデア→紀本は年をとっていないのでは? 0/1のSANC

戸棚に目星→奥のほうから透明な箱に入った、花の化石のようなものを見つける。

箱を開ける→その瞬間、なんともかぐわしい香りが探索者たちを包み込んだ。誰もがそのこの世のものとは思えない芳香に心奪われ、言いようのない恍惚感と高揚感を抱くだろう。また、まるで天国かと思えるような素晴らしい楽園の光景を目の前に見る。

探索者全員にPOW18(ヴルトゥームのPOWの半分の値)と対抗ロールをしてもらう。失敗した場合は1d100を振らせ、1d100+20分間幻覚の中をさまようことになる。成功者が精神分析をかければ幻覚からは解放される。

POW対抗成功者は0/1d2、失敗者は1/1d4のSANC

探索者は、これがホワイトバルブではないかと考えるだろう。

(どれだけ時間がかかっても誰かが来ることはないが、PLを怖がらせるためにシークレットダイスを振ってもいいかも)

本棚に図書館or目星→経営や健康食品についての本の中、手帳のようなものを見つける。

日付とメモのようなものが書かれている。三か月前から始まっている。

三か月前「奴らが目を覚ました。星で、あの方が活動を開始される。ついに始まる。オレはオレを全うしよう」

三か月前「アレを使って人類を支配する。成し遂げるのは容易だ。地球はあの方のものとなろう」

三か月前「受け渡しは倉庫で行う。あいつらにもそこで待機してもらおう」続きで住所が載っています。

しばらく、「何人に使用」や、「処理を指示」といった言葉が並ぶ。

探索者が紀本と出会う一日前「何やらここを嗅ぎまわっている奴がいる。人間ではないだろう。我々を疎ましく思うのはあいつらか? 処理を検討」

探索者と出会った日「あいつによく似た人間と出会った。懐かしさのあまり職務を忘れてしまいそうだった。何百年になるだろう。あの頃は楽しかった。幸せだった。この星も、人も、綺麗だ。 オレは」 続きはグシャグシャと消されており読むことができない。

しばらく空けて、「もう少しだけと思うのは許されないのか」


倉庫

海沿いにある小さな倉庫。聞き耳すると、中から何か物音がすることに気付く。窓がついており、カーテンの閉め忘れのおかげで中を覗くことができる。

そこには四つの人影があった。一つは地面に倒れ伏した人間。もう三つは、人間と呼ぶにはあまりに奇妙な姿をしていた。二メートルを超えるだろう体は分厚く頑丈そうで、手足は長く節々が多い。耳はとがっていて突き出し、落ちくぼんだ目は瞼に隠れよく見えないが、赤く爛々と輝いているようだ。そのおぞましい姿に0/1d8のSANC

また、そいつらは何かろうとのような形のものを持っている。それを倒れた人間に向けたかと思うと、その先端から細い光が飛び出してきた。それが当たった途端、人間はまるで幻かのようにフッと消えてしまう。たしかにそこにいた人間が消えてなくなるという非現実的光景に、1/1d4+1のSANC

(殺したのは記者である金本。葉星会について嗅ぎまわっていたため処分)

ここでアイハイ族三人分の聞き耳(25%)成功すると外にいる探索者に気付く。気づかれてからすぐに逃げれば対抗もなく逃げられるだろう。


紀本と

倉庫から逃げる途中、紀本に出会う。紀本は(聞き耳成功されて存在がばれている場合)アイハイ族から連絡を受け、探索者たちが自分たちが人間でないことを察していることに気付いているだろう。探索者たちが隠そうとしても意味はない。

あの怪物はなに?→「アイハイ族という種族だ。火星に住んでいたんだが、彼らの信仰する神によって地球に送り込まれたんだ。1000年前だったか」

1000年間何してたの?→「ヴルトゥーム様は眠りが長いんだ。この1000年は、ヴルトゥーム様もアイハイ族の奴らも眠って過ごしていた。オレは特に使命も言い渡されていなかったからな、地球で悠々と暮らしていたが」

眠り?→「火星にある都市に眠りのガスを散布するんだ」

あなたは何者?→「地球に住んでいた人間だ。ただし、1000年以上前にアイハイ族の神によって死なない老いない体にさせられた。......もう分かっているはずだな。事務所に入っただろ?」

目的は?→「ホワイトバルブは摂取すると神、ヴルトゥーム様というんだが、ヴルトゥーム様を信仰するようになる。そうして地球を支配し侵略するのが目的だと仰っていた」

火星はどうなる?→「......ヴルトゥーム様は、時間が許すのならば火星の資材も土地もすべて使いつくして宇宙船を造るだろう。後に残るのは荒廃だ」

(紀本は内心地球支配に肯定的ではないし、PC1を含む探索者たちに頼まれれば一時休戦するつもりはある。ので、かなりのことを話してもいい)

しばらく話すと、倉庫に向かって歩きはじめる。探索者たちが侵略はやめてくれと言ったところで、現時点では首を縦に振らない。

去り際、「探偵サンには気をつけろ。協力する相手は選ぶべきだとオレは思うがね」

「もし何か話があるなら事務所まで来るといい」と言うだろう。

もし背中を向けた紀本に攻撃をするのなら、彼は避けない。ただしダメージは通らない。死ぬレベルの攻撃をしたとしたならばSANCをしてもいいだろう。紀本は振り返って「そんなんでオレを殺せるもんか」とニヤリと笑う。

攻撃をした場合、エンディング分岐の交渉でマイナス補正をつけるとよい。


加原と2

探索者が加原と連絡をとる、もしくは加原から連絡が入る。

会うと、葉星会に殴り込みに行くと明かされる。話を聞こうと思えば、自分の正体も明かしてくれる。

何者?→「俺は火星人だよ。アイハイ族とはまた別の種族さ。ヴルトゥーム率いるアイハイ族とは火星で戦争をしてきたんだ。しばらくあいつらは休眠中だったから何も起きていないが」

証拠を問えば見せてくれる。驚かないでよ?と言いつつ。一瞬だけ姿が変わり、ぬめぬめとした褐色色の肌で大きな目を持ち、触手型の腕の生物が目の前に現れる。見ていた人物は1/1d8のSANC

目的は?→「俺は戦争で身内を奴らに殺されたんだ。その仕返しに、紀本とアイハイ族の奴らを殺したい。地球でほかに奴らとともに活動している奴はいないから、あいつらを殺してしまえば地球は守られるだろう。君たちと利害は一致しているだろ?」

(最終目的は嘘。標的を地球にして火星をヴルトゥームに蹂躙されるのを避けるため、地球人は敵であると認識させるため探索者たちを誘う。火星人にどんなメリットがあるのか?を考えさせるよう探索者にさりげなく促すと考えてもらえるか?)

心理学をしてもよい。紀本たちを殺したいという部分は本当。地球は守られる、は嘘。

心が決まり次第連絡をしてくれ、と加原はいったん去る。

ここから紀本のもとへ行くか加原と共に紀本たちを殺すか選ばせる。


エンディング1(紀本)

紀本のもとへ行く。葉星会の鍵は開いていて、彼は椅子に座って探索者を迎える。

「支配される覚悟は決まったか?」

メモで見た内容や、PC1は元親友なのではないか、地球が好きなのではないかなどという話をして、地球侵略を諦めてくれと説得することができる。内容次第で補正がつく。ロールに成功すれば紀本は呆れたようなほっとしたような顔をして了承する。

「地球侵略をやめることはできない。オレはあくまでヴルトゥーム様の支配下にあるんだ、彼の神の意思に背くのは無理だ。......だが、先送りにすることはできる。最終的に新しい星を支配することができればそれでいい。眠りの瓶を散布するよう頼んでおこう。そうすれば、1000年間、また眠りにつく」

「1000年後、お前たちの子孫に会えるのを楽しみにしている。......決して邪魔だてするなと言い伝えておいてくれ」

葉星会も倉庫も翌日には撤退している。

地球は侵略されることなく、火星から何かが訪れることもない。......少なくとも、1000年の間は。


エンディング2(加原)

加原に連絡をとりともに紀本たちを殺すことにすると、加原は喜々として倉庫へ向かう。倉庫にはアイハイ族三人と紀本がいる。紀本はあからさまに鬱陶しそうにしている。

「お前たちがそれを選んだのならばしかたない」と言い、戦闘開始。

少し経つと、加原は火星人の戦闘機械(小さなもの。威力も少し抑えてあるが、不死と言われるヴルトゥームの奴隷を殺すようにできている)を持ち出す。イベント戦闘でアイハイ族を倒し、紀本にも照準を合わせる。

紀本と加原の会話が少し。

「......地球をどうするつもりだ」

「どうかするのはお前たちのほうだろ? これは地球人の総意、お前たちを排除したいのは地球人だ。聞け、聞け、憎きヴルトゥーム! お前たちに牙を向けるのは地球だぞ!」

加原の武器で紀本は殺され、少しの沈黙が落ちるだろう。しばらくすると、外から騒音が聞こえる。

外に出ると、空が赤く燃えている。遥か空のかなたから、何かが下りてくるのが見えるだろう。巨大な球根と、頂上を飾る朱色のがく。その真ん中には、美しくも恐ろしい真珠色の妖精のようなものが、こちらを見据えて鎮座している。ヴルトゥームの姿を見た探索者は1/1d10のSANC

加原は隣で「これで火星は守られた! 出ていけ、全員、火星から出ていけ!」と泡を食って叫んでいる。

どこからか、たまらなく甘い香りが漂ってくる。頭の芯が痺れ、幸福感が胸を満たす。探索者たちは、降りてくるヴルトゥームの姿に愛しさを覚えながら瞼を落とすだろう。(ロスト)


シナリオについて

加原は探偵じゃない!あやしい!と疑わせてから疑いが晴れるという展開のせいか、地球を守るために加原を頼る、という方向にいきロストになりました。

・わざわざ加原を地球に行かせることで火星人に何の利益があるのか?

・加原の復讐は地球にいる彼らを殺すことでなしえるのか?

・千島の言う「犠牲」とは何のことか?

を、なんかこう考えてもらうといいかもしれません。あとは紀本に地球侵略を躊躇っている素振りをとらせると情に走ってもらえるかも...。

NPCの名前は 木星、火星、地球、月 から。

無料でホームページを作成しよう! このサイトはWebnodeで作成されました。 あなたも無料で自分で作成してみませんか? さあ、はじめよう